ハリウッドVFX業界就職の手引き

ハリウッドVFX業界就職の手引き
鍋潤太郎氏による、海外のVFX業界で働くための手引き。お薦めです。

2016年11月26日土曜日

最後のご挨拶

木村でございます。2013年の元旦から書き続けてきたこのブログですが、今回が最後の投稿となりました。これまでこのブログを読んでいただいた皆さんには一応経緯など(大したものでもないんですが)ご説明して、このブログを終わりたいと思っております。

このブログの以前の投稿でも書きましたが、今年の夏日本からアメリカに戻った後、The Millというスタジオでお仕事をもらいながら、しばらく今後の仕事の仕方についてちょっと考えておりました。と言いますのも、日本で昨年から今年の夏までの1年半関わらせて頂いた仕事、「Kingsglaive Final Fantasy XV」はただいまブルーレイオンライン配信が絶賛発売中なわけですが、それはともかく、久々に日本で仕事をさせてもらって純粋に楽しかった、ということもありますし、同時期に日本で世界にも通用するようなコンテンツを作ろうと、果敢に挑戦しているプロジェクトがいくつかあることを聞いて、これは帰ってきて面白いことができるのではないか、と感じたこともあります。

実際、日本滞在中にそうしたプロダクションの方々から飲みに誘って頂いたりして、いろいろお話をお伺いする機会もあって、かつては非常にクローズドなマーケットで細々とコンテンツを作り続けてきた日本も、変化しつつあるのだな、と言うことを感じ取ることができました。アメリカに帰ってきてからそうしたことを考え合わせ、私ももう40代も後半ですから、もう一度日本で何かを始めるとしたら、今のタイミングで帰るより他にないのではないか、という結論に達し、今回帰国することにしたという訳です。

このブログ、「アメリカでCG屋をやってみる」と題してアメリカでの仕事ぶりをご紹介するために書いてきた以上は、帰国した後も続けるのは妙な話ですし、私も正直ネタ切れですので、この辺で綺麗に閉じるのがいいかと思っております。

実はこのブログを書き始めた当初は、アメリカのプロダクションで働いてみたい、という志を持った方のために、何か少しでも役立つような情報を集めてご紹介しようと考えていました。ところがブログを書き始めて間もなく、当時勤めていたRhythm & Hues社が倒産し、カリフォルニアのVFX産業が厳しい事態に直面していることを知ってからは、さすがにそうしたお話もできず、アメリカ以外の国で行われている映像産業への助成金や、CGアーティスト達の労働環境と組合の問題など、私自身も想定していなかったような厳しい現実をご紹介するブログとなってしまいました。そんな内容のお話に今日までお付き合い頂いた読者の皆さんには、ここで心より御礼を申し上げたいと思います。

状況がそれほど大きく変わっているわけではありませんが、最近はLAにも少しずつ仕事が戻りつつある、という話もありますし、カナダ、イギリスも引き続き多くのアーティストやTDを受け入れていますので、海外でCG屋をやってみたい、という方は、ぜひ挑戦してみることをお勧めします。海外で働く、ということは、単にハリウッド映画の派手なビジュアル・エフェクツの制作に関われる、というだけでなく、それまで置かれていた環境とは全く異なる世界に自分の身を置くことで、自分の弱点を見つけたり、考え方を広げるチャンスだと私は捉えています。よく、海外に挑戦したいのだけれど、保証がないから不安だ、と言う人がいます。「仕事が確実にもらえるなら」とか、「引っ越しまで面倒を見てくれるなら」とか、おっしゃる方もいます。気持ちがわからないわけではありませんが、私が思うに、海外に挑戦する、ということは、そういう不確定な部分を受け入れて、その中でどこまで自分が目標に向かってやり続けられるか、という部分も含めた挑戦だと思っています。そうは言ってももちろん奥さんや旦那さん、子供さんがおられるようだと、自分の身勝手で家族に辛い思いはさせられない、ということもあるでしょう。私自身の身の回りには、家族の理解を得て挑戦した、という方もいますが、できるなら若くて身軽な時期に挑戦されることをお勧めします。まだ何も失うものがない時期に、給料が、とか、正社員の地位が、とか言っているのは、私にはひどく勿体無く感じられます。

日本帰国後についてはまだ何も決まっていませんが、狭い業界ですからこれをお読みの皆さんの中には、一緒にお仕事をすることになる方もおられるかもしれませんね。その折はよろしくお願いいたします。

では、長らくお付き合い頂きまして、ありがとうございました。そしてちょっと早いですが、良いお年を。

きむら

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