ハリウッドVFX業界就職の手引き

ハリウッドVFX業界就職の手引き
鍋潤太郎氏による、海外のVFX業界で働くための手引き。お薦めです。

2014年12月19日金曜日

業界ニュースを読んでみる ソニーハッキング続報

木村でございます。前回Sony Pictures Entertainment (SPE) のハッキングに関してお伝えしましたが、その後新たな情報が入りましたので、それをお伝えしたいと思います。

前回個人情報の漏洩に関してSPEから特に連絡はないとお話ししましたが、その後連絡があり、実際に盗まれた情報の詳細がわかりました。氏名、住所、ソーシャル・セキュリティ・ナンバー、ドライバーズ・ライセンス、パスポートの情報は全て漏れている可能性があるそうです(゚∀゚) 給料をダイレクト・デモポジットするよう手続きした場合は銀行のアカウント情報も、健康保険に加入した際に提供した個人情報(健康状態や既往症の有無)なども漏れている可能性があるそうです。つまりほとんど全てですね。またSPEでは情報が漏れた現、及び元社員に対してAllClearという個人情報のセキュリティ会社へのプランを12ヶ月分無料で提供するそうです。少なくとも過去5年以内1999年以降にSPEで働かれた経験のある方は、連絡を受け取っていなくともSPEにコンタクトを取ってみる事をお勧めします。

2014年12月5日金曜日

業界ニュースを読んでみる

木村でございます。毎年恒例、鍋潤太郎氏と溝口稔和氏による「ハリウッドVFX業界就職の手引き」の新年度版が刊行されましたので、ご紹介です。

「ハリウッドVFX業界就職の手引き 2015年度版」

毎年その時々のVFX業界の変化を読み取りながら更新されておりますので、既に古い版をお持ちの方も、最新のものを手に取ってみられる事をお勧めします。このブログでも何度となく触れていますが、ハリウッド映画のVFX制作は今世界中に広がっており、この手引きでもカナダ、イギリス、シンガポールなどの現地情報を取り入れていますので、アメリカ以外の国での就職を目指しておられる方にも役に立つのではないかと思います。ちなみにこのブログの上の方にあるバナーをクリックして頂くと、AmazonのKindle版が購入でき、私にアファリエイトの収入が入る仕組みになっています。

2014年11月29日土曜日

プログラムを書いてみる その4

木村でございます。皆さんもニュースなどでお聞き及びかもしれませんが、今アメリカでは丸腰の黒人青年が警察官に射殺される、という事件をきっかけにして、抗議行動が各地に広がっています。この週末はアメリカではサンクス・ギビングという祭日で、この日のある週の金曜日は俗に「ブラック・フライデー」と呼ばれ、全米の小売店がセールをやる事で有名なのですが(買い物客が殺到して大きく黒字になる事からこう呼ばれます)、事件を理由にこのブラック・フライデーの買い物をボイコットするという人達まで現れました。この事件が起ったのはミズーリ州という中部の州なのですが、LAではこれに敏感に反応した人達がやはり抗議活動をしています。ご存知の方もいるかと思いますが、LAでは昔、ロドニー・キングという黒人男性が警察官に暴行された事件をきっかけにして暴動が起り、今でもLA市民はこうした出来事にナーバスになっています。今回はLAは比較的落ち着いていますが、住んでいる身としては若干不安ではあります。

2014年11月11日火曜日

プログラムを書いてみる その3

「プログラムを書いてみる」の3回目です。前回お話しした通り、今回はCG屋がPythonを使う場合の問題点についてお話ししたいと思います。

2014年10月26日日曜日

プログラムを書いてみる その2

木村でございます。プログラミングのお話の第2回になります。前回CG屋が始めるプログラミング言語はPythonがよい、というお話をしましたので、今回は実際にPythonをどう学ぶかについてお話しさせていただきたいと思います。

2014年9月27日土曜日

プログラムを書いてみる その1

木村でございます。危うく9月無更新になるところでしたが、なんとか滑り込みました。今回から数回に渡ってプログラミングに関するお話をしたいと思います。最近私、プログラムを書く仕事が増えて参りまして、そんな関係からか知り合いからPython(プログラミング言語の1つ)に関する質問も受けるようになりました。このブログではこれまで何回かに渡ってプロダクション・パイプラインのお話をして参りましたが、この手の仕事にはプログラミングのスキルが必須です。とはいえ小さなプロダクションですと専業のプログラマーやエンジニアを雇う余裕もないため、アーティストが自らTDの仕事も担おうというケースも出てくるかと思います。これ自体は悪い事ではありませんが、これまで絵作りをしてきた人達にとってプログラミングというのはかなり敷居の高い仕事とはいえるでしょう。そこで、ここではこれからパイプラインやプログラミングに関する勉強をしようというCG屋を対象に、どんなプログラミング言語をどうやって勉強すべきなのか、ということについてお話ししたいと思います。つまりプログラムの書き方そのものについてお教えしようという訳ではないのでご注意ください。そういった事には既にしかるべき教育を受けた方が解説された有益なサイトがいくつもありますので、後ほどそういったサイトに関してもご紹介したいと思います。

2014年8月7日木曜日

SIGGRAPHの見所をチェックしてみる

木村でございます。あらかじめ申し上げておきますが、私は今年はSIGGRAPHには参加しません。貧乏暇なしと言いますか、一日たりともスケジュールを空けられない状況が続いておりまして、今年はネットでチェックして終わりになると思います。しかしこれまで漏れ伝え聞くニュースだけでも、今年のSIGGRAPHは面白そうなイベントで目白押しの模様です。そこでSIGGRAPHに参加される方のために、そういたイベントやニュースを幾つかピックアップしてみましたので、よろしければ参考にしてみてください。ちなみに全くSIGGRAPHに無頓着な方のためにお話ししますと、今年のSIGGRAPHは8月10日から14日までカナダのバンクーバーで開催されます。

2014年7月28日月曜日

自習してみる

木村でございます。皆さんはCG自習してますか。一旦就職してしまうとなかなかまとまって勉強をする時間は取れなくなるものですが、ご存知の通りCGの技術は日進月歩ですから勉強をやめてしまうとたちまち遅れをとります。以前とあるプロダクションで一緒に働いたライティング・アーティストがいたのですが、この人のライティングには妙なところがありました。それは影を落とさないのです。キーライトの影は落とすのですが、フィルやリムなどからは影をとってしまいます。もちろんそれでちゃんとした絵に見えればいいのですが、あからさまに影がないのがわかる絵なのです。他にもどうもグローバル・イルミネーションを使いたがらない傾向があって、ある日聞いてみたところ「計算時間がかかる」というのがその理由でした。確かに計算時間はかかりますが、現代のライティングにおいて、少なくともフォトリアルなライティングをするのに影やグローバル・イルミネーションを使わない、というのは無理があります。彼がそうしたライティングをしているのには私には何となくわかります。彼は私とそんなに歳が違わない感じでしたが、私がこの業界に入った今から二十ウン年前はコンピュータの計算速度がお話しにならないほど遅く、グローバル・イルミネーションはおろか影を落とすのにも慎重さが求められる時代でした。RenderManのシェーダーにブロッカーという擬似的に影を落とせる仕組みを入れたり、シャドウ・マップを使い回したりして計算をいかに軽くするかが当時のライティング・アーティストの腕の見せ所だったのです。彼の中ではその当時からライティングの技術が全く変わっていないのでしょう。その頃の知識がもう無駄になってしまった訳ではありませんが、それに固執していること自体は危険です。そしてこれは私を含め誰にでも起こりうる事です。そこで今回はCGの自習に役立つオンライン・トレーニングのサイトを幾つかご紹介します。

2014年7月4日金曜日

業界ニュースを読んでみる

木村でございます。こちらアメリカは今日7月4日が独立記念日です。私の自宅からほど遠からぬところにMarina Del Reyというヨットハーバーのある港町があり、ここでは独立記念日の度に花火を打ち上げるのですが、私は仕事で自宅に缶詰でして、今その花火の音だけが聞こえてくる、といった有様です。それはさておき、これまで何度か業界の動向をテーマ別にお送りしてきましたが、これかはらそれぞれのニュースを個別に読み解いていく形でお送りしたいと思います。

2014年6月9日月曜日

レンダラを選んでみる その4

木村でございます。少々古いニュースになってしまいましたが、先月末にSony Pictures Imageworksが、本部を現在のLA西部にあるSony Picturesの本拠地カルバー・シティから、カナダのバンクーバーに移転させる事を発表しました。以前からSonyはワーク・フォースの大半を当地に移動させていましたし、この発表に先立ってImageworksで要職に就いていたKen Maruyama氏などが同社を離れる事が発表されていたため、これはある意味既定路線だった訳ですが、やはり残念なニュースではあります。

2014年5月6日火曜日

Gatorade Fierce

すっかり5月になってしまいましたね。今更になってしまいましたが、以前The Millで関わっているとお話ししたゲーターレードのコマーシャル、日本ではご紹介できるかどうかわからない、と言っていたのですが、あっさりYouTubeに上がっていましたので、ご紹介したいと思います。




2014年4月6日日曜日

アメリカに住んでみる - おいしいハンバーガー屋さん

木村でございます。アメリカに一度でも来られた方ならお分かりかと思いますが、正直言っておいしいものを見つけるのが難しいです。ない訳ではありませんが、大概どんなところでもおいしいものが食べられる日本に比べると苦労します。「ハンバーガー以外おいしいものがない」などと言われたりもしますが、こうしてアメリカに住んでいる訳ですから、それに耐えるより他にありません。そういう訳ですから、だったらそのハンバーガーのおいしい店を今日はご紹介しよう、という訳です。こういう話をしますと、大概「えーあそこがー?」などという反応をする方もいますが、結局のところ食べ物の上手い不味いは人によりけりですので、ここは私の個人的見解という事でご理解ください。なお、一応順位を付けてみましたが、あまり意味はありません。

2014年3月24日月曜日

ワークフローとパイプラインを考えてみる その6

木村でございます。今月はちょっと大変な事になってましてね。前回も書きましたが、今The Millという会社でコマーシャルの仕事をしてるんですが、ものすごい突貫です。始めて次の週からはもう週末がなく週7日勤務、そして昨日はついに徹夜です。私LAに来てかれこれ8年経ちますが、徹夜というのは滅多にありません。カリフォルニアの労働法が厳しいのもありますが、基本アーティストが徹夜をしなければならないのはスケジューリングとマネージメントの失敗という考えがあり、やらせたがらないものです。しかし昨日はプロジェクトのメンバーの大半(ほとんどがFX、ライティング、コンポ)が明け方まで仕事をしていましたから、これは大変なものです。そのゲーターレードのコマーシャル、かなりかっこいいので皆さんに観て頂きたいんですが、どうみてもアメリカ国内向けのCMなので、アメリカ以外の国にお住まいの皆さんに観て頂くチャンスは薄そうです。ひょっとしたらYouTubeとかで観れるようになるかもしれませんので、リンクを見つけたらこのプログでお知らせします。

2014年3月6日木曜日

映像産業の補助金制度について考えてみる その7

木村でございます。このブログでこれまで何度かアメリカのVFX産業の窮状についてお伝えしてきましたが、多くの方がこの状況を耳にされるようになってきたようで、最近「木村さん大丈夫ですか」とか「生きてますか」とかご心配の声を頂くようになりました。大変ありがたいことです。私も正直なところ言って決して楽な状態ではないのですが、なんとかやってはおりますので、ご安心ください。仕事は相変わらず少ないですが、幸いこのブログで最初の頃にお話ししたプロダクション・パイプラインとワークフローに関してご賛同頂いた幾つかの日本の会社から、アメリカからリモートでもいいから手伝ってくれないか、とのお誘いを頂いて、協力をさせて頂いております。また、今月は短期でThe Millという会社でCMを作る仕事もしております。このThe Millという会社、本社はイギリスのロンドンなのですが、LAにも支社を構えており、どちらかというとデザインを重視した制作方針でやっているようです。実は先頃あったアカデミー賞の授賞式の中で使われた映像のデザインも手がけておりまして、私は関わってはおりませんが会社はそれで結構盛り上がっておりました。

2014年2月26日水曜日

ショート・ドキュメンタリー「LIFE AFTER PI」

木村でございます。アメリカ西海岸時間で2月25日の夜11時頃、YouTube上に30分ばかりの短編ドキュメンタリー映画が公開されました。「LIFE AFTER PI」というタイトルで、私がかつて勤めたRythm & Huesの倒産とその後を追ったものです。

2014年2月18日火曜日

ライティングしてみる その6

すっかり延び延びになってしまいましたが、「ライティングしてみる」シリーズ、今回で最終回になります。最後はコンポジットのお話をさせて頂きたいと思います。コンポジットは厳密に言えばライティングとはまた別の作業になりますが、ライティング・アーティストがコンポジットの作業に関わるのは珍しいことではありません。とりわけフィーチャー・アニメーションの様な素材の全て(もしくはほとんど)がCGでレンダリングされている様なケースではライティング・アーティストがコンポジターも兼任するのはよくあることです。また、実写のVFXのショットであっても、コンポジターに渡す素材をライティング・アーティストの側であらかじめプリコンポして渡す、ということもよくあります。これはライティングの最後の詰めをコンポジットで行うケースや、複雑なライティングの素材をコンポ・ソフトの中で一旦整理してから渡す、ということがあるからです。そういう訳ですから、ライティング・アーティストもコンポジットに関する基本知識は身につけておくべきでしょう。

2014年1月17日金曜日

ライティングしてみる その5

すでに1月も半ばを過ぎてしまいましたが、新年明けましておめでとうございます。のっけからですが、去年の投稿の改正です。大晦日の投稿でも申し上げましたが、「ライティングしてみる その3」で、Open EXRで採用されている16bit float (half) について、「16bitのうち、1bitが符号に、5bitが露出に、そして10bitが実際の色情報の保持に割り当てられ、30-stopの輝度情報が保持可能とされています。すなわち16bitのEXRは厳密にはfloatというよりも最も効率よくHDRIを保存するために考えられたフォーマットと言っていいでしょう」という記述について、この16bitの構成を持ってそれ自体が浮動小数点を表します、とのご指摘をコメントでいただきました。これはWikipediaに詳しい説明があるので、それをご覧になって頂いた方がいいと思います。

http://ja.wikipedia.org/wiki/半精度浮動小数点数

実はOpen EXRのウェブサイトにはこの16bit float形式に関して、以下の様な記述があります。

For linear images, this format provides 1024 (210) values per color component per f-stop, and 30 f-stops (25 - 2), with an additional 10 f-stops with reduced precision at the low end (denormals).

このため「効率よくHDRIを保存するために考えられたフォーマット」という表現をしましたが、正確さにかけたようですので、ここに改正させて頂きます。