ハリウッドVFX業界就職の手引き

ハリウッドVFX業界就職の手引き
鍋潤太郎氏による、海外のVFX業界で働くための手引き。お薦めです。

2013年12月31日火曜日

年の瀬のご挨拶

木村でございます。いよいよ年の瀬も押し迫って参りました。今年1年おつきあい頂きありがとうございました。実はこのブログを書き出した当初は、アメリカのVFX業界がこれほど急激な変化に見舞われるとは全く予想しておりませんでしたので、当初の想定からだいぶ違う内容となってしまいましたが、ある意味非常にVFX業界の世相を捉えたブログになったのではないか、と思っています。

もともとは私の友人達からの質問に答える目的で書いてきましたが、こうしたブログのいいところは、読んでおられる方から時々ポジティブな反応や新たな知識を頂けることで、例えばある音楽業界で働いておられる方からは、アメリカのVFX業界がブログで触れられている様な状況とは知らず驚いた、という率直な観想を頂きました。また、現在連載中の「ライティングしてみる その2」では、やはり読んでおられる方からカラースペースとガンマの関係に関して有益なご指摘をいただきました。実はこのコメントをしてくださった方は私の古くからの友人で昔の会社の同僚でもある方でして、日本ではそれほど多くないコンポジットのスペシャリストです。こういう各分野のスペシャリストからのフィードバックがあると、私自身も曖昧なまま書いていた内容が結構ありますので(ええ、結構あります)勉強になります。実は「ライティングしてみる その3」でも他の方からOpen EXRで使われている16bit half (float) の仕様に関して間違いをご指摘して頂きました。私浮動小数点がコンピュータにおいてどのように扱われているかが実は良くわかっておらず、適当な英語訳から判断しておりましたので、助かりました。次回の「ライティングしてみる」でこれにはまた触れますが、気になる方はこちらのコメントをご覧ください。

このブログ、当初は半年も続けばいいだろう、と思いながら書いていたので、1年続いただけで私的には万々歳なのですが、「ライティングしてみる」がまだ話し半ばでもありますので、このままダラダラと2年目に突入してみたいと思います。よろしければ来年もおつきあいください。では良いお年を。

2013年12月26日木曜日

ライティングしてみる その4

木村でございます。数日前に日本からアメリカに戻ってまいりました。日本へは以前もお話しした通り仕事で行っていた訳ですが、仕事の合間を縫って旧友と食事をともにしたり遊びに出かけたりと、楽しい3ヶ月でした。仕事場に遊びに来るよう誘ってくださった方もいて、今の日本の業界事情などを聞き、仕事のお誘いなども頂いたので、日本でまた仕事をすることもそう遠くない将来にあるかもしれません。

帰国中楽しみだったのは食べ物です。仕事場が東京の中野にあったため、昼食は中野近辺で毎日のように違う店を選んでとっていたんですが、それでも到底全部制覇することは出来ませんでした。あれだけ店があってやっていけるのも不思議ですが、大概どこで食べても美味しかったのも驚きです。たぶんアメリカに住んでいるうちに味覚が後退してしまったせいもあるのかもしれません。

それはともかく、ライティングのお話の4回目です。ライティングをつめていくにあたっては、オブジェクトがどういう質感(マテリアル・シェーダー)を持っているか、ということが重要になりますので、今回はそのお話をさせて頂きましょう。

2013年12月6日金曜日

「ハリウッドVFX業界就職の手引き」Kindle版発売

木村でございます。今回は宣伝です(゚∀゚)

以前ご紹介した鍋潤太郎氏の「ハリウッドVFX業界就職の手引き」が新しくなりました。価格改定し、大幅に値下げしたのとともに、今回新たにKindleでも発売されました(書籍版もKindle版よりは高いですが、これまで通り専用サイトから購入可能です)。また、昨今の業界の事情を鑑み、アメリカだけでなくカナダやシンガポールの事情も掲載されています。海外でCG屋を目指している方は、非常に参考になると思いますので、目を通しておくと良いのではないかと思います。

またもう1冊、「海外VFX業界動向BLUEBOOK」もやはりKindle版で発売されました。こちらは就職の手引きというよりは、業界動向を知る読み物として充実しているようです。興味のある方はぜひ一度手に取ってみてください。

2回続けて話題がそれてしまいましたが、次回こそライティングの続きをやりたいと思います。


2013年11月28日木曜日

映像産業の補助金制度について考えてみる その6

木村でございます。「ライティングしてみる」シリーズの途中ですが、映像産業の補助金制度に関して幾つか話題が入ってきたので、今回はそのお話をしたいと思います。以前のこのブログの補助金制度に関するシリーズでお伝えしている通り、LAのVFX産業は他の地域、国で実施されている補助金制度の影響で大きな打撃を被っており、既にCafe FXやAsylum VFXのような中堅どころが閉鎖に追い込まれ、Digital DomainやRythm & Huesのような大手も倒産して外国の投資家に買収されるという状況に陥っています。この現象はこれまでLA(カリフォルニア)を中心に起きている現象でしたが、これが他の地域にも波及するようになってきたようです。

2013年11月18日月曜日

ライティングしてみる その3

木村でございます。前回はライティング作業に入る前の下準備として、リニア・ワークフローのお話をしましたが、その後お読みになっている方から有益なご指摘をいただきました。まずsRGBのガンマに関して、Mayaのソリッドなカラー(カラーピッカーから得た色)をリニア・ワークフローに組み込むために、Gamma Correctノードを用いるお話をしましたが、ご指摘によるとsRGBは厳密には2.2のガンマではないので、0.45の逆ガンマをかけてもリニアにはならない、ということです。参考に紹介して頂いたサイトによると、特に暗部での誤差が大きくなる、という指摘が出ています。残念ながら、私の理解ではMayaのカラーピッカーの色を単純にリニアに戻す方法は提供されていないので、依然としてGamma Correctノードを使うしかありませんが、この点に関してはMayaユーザーは留意しておくべきでしょう。

2013年10月27日日曜日

ライティングしてみる その2

もう10月も終わりですか。すっかり月一更新になってしまいましたが、だいぶ延び延びになった「ライティングしてみる」第2回目のお話をさせて頂きたいと思います。その前にちょっと告知を。私がRhythm & Huesで制作に関わっておりました「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海」がいよいよ日本でも11月1日から公開になるようです。多分一作目を観ておられない方でもそれなりに楽しめるはずです。よろしければ劇場まで足をお運びください。


2013年9月28日土曜日

永遠の0

木村でございます。約1ヶ月ぶりとなりましたが、前回お話ししたとおり私このブログを日本から更新しております。こちらで映画の仕事にちょっと関わっておりまして、年末まではこのまま日本で仕事をすることになっております。職場は幸いにも良い方ばかりで、リラックスして仕事ができるのですが、当初の想定上の忙しさで、ようやく今日になってブログ時間が取れた次第です。

2013年8月31日土曜日

ライティングしてみる その1

木村でございます。気がつけばもう8月も終わりですね。私、今年のLAはあんまり暑くなかったな、と思っていたのですが、ここ数日になって結構暑くなってきました。LAは場所によってかなり暑さの度合いが変わるんですが、私の住んでいるWest LA(海岸沿いのエリア)はそんな感じです。多分山側(北のVan NuysやBurbankなどがあるエリア)はもっと暑いんじゃないかと思います。

それはさておき、今回からライティングのお話をしようと思っていたのですが、ちょっと事情が変わってどうもそんな悠長な雰囲気ではなくなってきました。


2013年8月15日木曜日

アメリカに住んでみる - 映画の撮影場所を訪ねる

木村でございます。すっかり夏休みモードになって更新も滞って参りましたが、皆さんお元気でしょうか。実は夏休み向けの企画として、LAの観光案内的な内容の企画を考えていたのですが、もうすでにその夏休みも折り返し地点を過ぎてしまい、今更な感じになってしまいました。しかしせっかくですので、次回皆さんがLAにお越しの際の参考にして頂ければと思い、「映画の撮影場所を訪ねる」と題してお送りしたいと思います。

2013年7月30日火曜日

映像産業の補助金について考えてみる その5

木村でございます。先週はSIGGRAPHがありましたね。実は私今回は会場に足を運ばなかったんですが、日本の知り合いがこのためにLAを訪れておりまして、久しぶりに旧交を温めに飲みにいったりして、楽しかったです。ただ、SIGGRAPH自体は全般的に縮小傾向にあったようです。これは場所がアナハイムという例年とは異なる場所だったこともあるようですが、Autodeskが機器展への出展を取りやめるなど、SIGGRAPHの重要度が下がってきていることも無関係ではないでしょう。

2013年7月19日金曜日

写真を撮ってみる その5

写真を撮ってみると題したこの連載、今回で最終回になります。前回予告しました通り、RAWで捉えきれないほどのダイナミック・レンジを得るための手段として、HDRIを用いるお話をします。最近はHDRIがカメラに機能として備わっている機種も結構あり、お持ちの方もいるのではないかと思います。私の知り合いにもそうしたカメラを持っている方がいまして、撮った写真を見せてもらったのですが、撮影後自動的にトーンマッピングをして、非常に鮮やかな画像を出力していて感心したものです。しかし、こうしたカメラをお持ちでない方でも、三脚としかるべきソフトウェアさえあれば割と手軽に作ることが出来ます。

2013年7月6日土曜日

写真を撮ってみる その4

VFXタウンホール・ミーティングのお話で1回間が空いてしまいましたが、今回は画像フォーマットとRAW現像についてお話ししたいと思います。この連載の最初の回で、現在VFXにおいてよく使われるファイル・フォーマットについて簡単にお話ししましたが、これらは単純にビットデプスが深い、という訳ではもちろんありません。そこで、まずRAW現像についてお話しする前に、画像フォーマットについて少し触れておきたいと思います。

2013年6月29日土曜日

VFX業界 タウンホール・ミーティング NYC編、IATSE編

木村でございます。「写真を撮ってみる」の連載の途中ですが、今回は以前もご紹介したVFX業界のタウンホール・ミーティングついてお伝えさせて頂きます。この6月に2つのタウンホール・ミーティングがそれぞれニューヨークとロサンゼルスで開催され、前回同様VFX産業のあり方について議論が交わされました。2つのミーティングをそれぞれ詳しくお伝えしていると長くなってしまいますので、今回は簡単に内容を要約する形でお伝えしたいと思います。

2013年6月24日月曜日

写真を撮ってみる その3

木村でございます。写真を撮るお話をさせて頂いていますが、今回は実際の撮影についてご説明します。ちなみにこれからお話ししていく中で何度か私自身が撮影した写真に触れますが、これらの写真は全て私が3年前くらいに買ったCanonのEOS Kiss X4というエントリー・クラスのデジタル一眼レフ(APS-Cサイズ、1800万画素のセンサー)で撮影したものです。レンズはキット・レンズの18-55mm F3.5-5.6ズーム・レンズとSigmaの30mm F1.4という単焦点レンズを主に使っています。いわば私が第1回に挙げた3つの条件を満たすものの下限と言っていいレベルのものですから、皆さんがどういうカメラをお持ちであれ、難しくはないと思います。お気楽にお読みください。

2013年6月12日水曜日

写真を撮ってみる その2

いきなりですが、E3ですね。私もLAに住んでいるので一つ行ってみるかと思ったのですが、FacebookやらYouTubeやらに最新のゲーム機やらゲーム映像が早速上がっていて、ほとんどネットでチェックできるので行く気が萎えました。しかし次世代コンソールが発表されたので、今後が楽しみではあります。

それはともかく、「写真を撮ってみる」の2回目ですが、前回は写真を始めるにあたって、どんなカメラを用意すればいいか、その主立った条件を説明させて頂きました。今回はその条件に当てはまりそうなカメラを具体的に見ていきたいと思います。


2013年5月31日金曜日

写真を撮ってみる その1

木村でございます。今回から何回かにわたって、写真のお話をさせて頂きたいと思います。私は写真に関してはただのアマチュアなのですが、シネマトグラフィの勉強に役に立つため、積極的に学んでいる趣味の一つです。実際CG業界、特にライティングやコンポジットを専門にしているCG屋で写真を趣味にしているという方は多いです。写真でも動画でもレンズと光の扱いに対する考え方は基本同じですし、デジタルになってからはビットデプスの深い写真(RAWフォーマット)をデジタル処理するというワークフローが一般的になってきたということもあります。今日本ではどうなっているかちょっと存じ上げないんですが、アメリカのCG業界ではレンダリング画像を8ビットで書き出すところはほとんどなくなってきており、16ビットの浮動小数点で出力するのが一般的です。フォーマットはまちまちですが、Open EXRかDPXが多いと思います。こうしたビットデプスの深い画像はダイナミック・レンジが広いので、後々の調整で画像を思ったようにいじることが出来ます。ちなみに動画でもBlackmagicから近々Cinema DNG(動画のRAWフォーマット)で撮れるコンシューマー向けのムービーカメラが発売されるため、私もちょっと楽しみにしているのですが、動画よりもスチルの方が気軽に勉強しやすいでしょう。

2013年5月21日火曜日

アメリカに住んでみる - LA都市伝説

木村でございます。ここのところアメリカのVFX業界の厳しい話が続きましたので、今回は少々緩い話をしたいと思います。アメリカ暮らしの小ネタやトリビアをお届けしようと思うんですが、今回は私が住んでいる街、ロサンゼルスに関する都市伝説です。


2013年5月13日月曜日

VFX業界 タウンホール・ミーティング スタジオ経営者編

木村でございます。先週あったニュースですでにご存知の方も多いかと思いますが、5月7日にRay Harryhausenが亡くなりましたね。享年92歳ということですから、大往生と言ってもいいのではないかと思いますが、歴史に残る偉大なVFXアーティストであるだけに残念です。

2013年5月6日月曜日

自分の仕事をプレゼンしてみる その3

5月になりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。このブログの内容と全く関係ないんですが、私が住んでおりますLAの街で昨日の日曜日、ちょっとしたレクリエーション・イベントがあったんですが、そこにフード・トラックが来てたんですね。こちらでフード・トラックといえばハンバーガーとかタコスとかいかにもトラックで売りやすいものが多いんですが、そのイベントに来てたトラックの中にピザを売ってるのがあったんですよ。冷凍のを温めて出してるのかと思ったら、なんとトラックの中に薪のピザ釜があって、生地をその場でこねて焼いてました。結構たまげましたね。で、やはりというべきか美味しかったです。お薦めです、と言いたいところなんですが、何しろトラックなのでいつどこに出没するのかよくわかりません。見かけたら食べてみてください。


2013年4月29日月曜日

自分の仕事をプレゼンしてみる その2

「自分の仕事のプレゼンをしてみる」の2回目ですが、いきなりお知らせがあります。前回「次回はカバーレターのお話をします」と書いたのですが、カバーレターの話を書いてみたところ非常に短かったので、前回の投稿に追加書き込みをすることにしました。カバーレターについてお知りになりたい方は、前回の投稿をご覧ください。そういう訳で今回はデモリールのお話をさせて頂きます。

2013年4月24日水曜日

自分の仕事をプレゼンしてみる その1

木村でございます。しばらく放置状態でしたが、皆さんお元気でしたでしょうか。実は私自分のホームページを作っておりまして、先週一週間はそれに掛かりっ切りでおりました。ホームページ自体は以前も作ったことはあったのですが、今回はドメインを取得するところから始まって、ウェブ・ホスティング、メール・アカウントの作成、ホームページの作成と公開と、一通りをこなしてみました。そんなに技術的に難しいのか、と言われれば、今のウェブ・ホスティングサービスはよく考えられていて、難しいことは何もないのですが、料金表を見ながら「うーん」とか言って考え込むことに半日とか、そういう風に時間が流れていきましたものですから、一週間かかった訳です。ちなみにその成果ですが、以下からご覧になれますので、よろしければチェックしてみてください。

http://www.takumikimura.com/


2013年4月15日月曜日

Percy Jackson: Sea of Monsters

木村でございます。今日は実は私のRhythm & Huesでの仕事の最後の日だったのですが、今回は最後まで関わっていたプロジェクト、映画「Percy Jackson: Sea of Monsters」のお話をさせて頂きたいと思います。以前のブログでもお話ししましたが、Rhythm & Huesは倒産後、Prana Studiosというアニメーション会社のオーナーに買い取られて、新会社としてスタートした訳ですが、この作品は、Legendary Picturesの「The Seventh Son」と並んで旧Rhythm & Huesが請け負った最後の仕事です。これらの仕事の終了をもって旧Rhythm & Huesの業務は全て終了することになります。



2013年4月10日水曜日

VFX業界 タウンホール・ミーティング

木村でございます。今回は、ちょっと時間が経ってしまいましたが、3月14日に開かれた、VFX業界タウンホール・ミーティングのお話をしたいと思います。タウンホール・ミーティングとは何かといいますと、政治家や草の根運動の活動家達が、街の公民館などに集まって、一般の人たちと直接対話をしたり、議論をしたりする活動を総称してこう呼ぶようです。VFX業界が今回、タウンホール・ミーティングを開いた背景ですが、既にこのブログでも何回かお話ししたとおり、今(特のアメリカの)VFX業界は転換点にきており、この産業のあり方、あるいはビジネスのやり方に関して、再考を迫られている状況にあります。そしてその空気が一気に運動にまで高まったのが、Rhythm & Hues Studiosの倒産に端を発したオスカー授賞式当日のデモであり、これをきっかけに、主にネットを介してさまざまな運動の呼びかけがおこわなわれるようになりました。前回の補助金制度のトピックでも取り上げましたが、ハリウッド映画を手がけるVFX産業は既に世界中に広まっているため、これを世界のVFXアーティストをつなげるムーブメントにしようという動き(VFX Solidarity International)もあります。

2013年4月4日木曜日

映像産業の補助金制度について考えてみる その4

Rhythm & Huesのお話で1回間が空いてしまいましたが、補助金問題に戻りたいと思います。ところで全く関係ないのですが、私のブログ、GoogleのBloggerを使っております。で、恐らくどこのブログもそうかと思いますが、Bloggerもアクセスの統計データというのを見ることが出来まして、実はここ1、2週間の間にフランスからのアクセスが急伸しています。アクセスが最も多いのは日本からですが、その次のアメリカに次いで、今なんと3番目です。理由は全く不明ですが、喜ばしいことです。いずれフランスのマドモアゼルとしっぽりよい仲になる日も近いのではないかと思います。

さて前回まで、補助金制度とその弊害などを話してきましたが、これをきっかけにして、今VFX産業のあり方そのものを問う動きが出てきつつありますので、今回はこれに関してお話ししたいと思います。

2013年3月31日日曜日

Rhythm & Hues Studios、新会社として通常業務復帰へ

木村でございます。映像産業の補助金制度に関して、何回かに分けてお話ししておりますが、今回はそれをちょっと中断しまして、以前お伝えしたRhythm & Huesのその後に関してお話しさせて頂きたいと思います。

2013年3月26日火曜日

映像産業の補助金制度について考えてみる その3

補助金制度に解決策はあるのか

前回は補助金制度の問題点をお話ししました。こうした問題点を考えるにつけ、これは何か策を講じた方がいいのではないか、と考える人たちも出てきます。まずこの制度の弊害をまともに被ったカリフォルニアのVFX業界ですが、これに対する解決へのアプローチは割れています。

2013年3月20日水曜日

映像産業の補助金制度について考えてみる その2

木村でございます。前回から補助金のお話をしていますが、実は今回はこのお話はお休みして、3月14日に行われたVFX業界のタウン・ホール・ミーティングのお話をしようかと思っていたのですが、今やっているプロジェクトが追い込みに入ってきておりまして、それどころではなくなってしまいました。なんだか日曜日にも出社しなければならない有様です。補助金のお話は、あらかじめ大雑把な原稿を書き上げていましたので、とりあえずはこれに沿って補助金のお話を続け、タウン・ホール・ミーティングについてはまた機会を見つけてお話ししたいと思います。

2013年3月14日木曜日

映像産業の補助金制度について考えてみる その1

木村でございます。ブログを始めて3ヶ月が経ちましたが、さすがに筆が鈍ってきました(と前にも同じようなことを言いましたが)。私、小中学生のときも夏休みの日記は、最後の3日くらいにまとめて書くタイプでしたので、そういう意味では3ヶ月続いただけでも上出来なのですが、せっかく一念発起して書き始めた訳ですから、せめて1年は続けたい、というのが目標です。というか、希望です。というか、そうなったらいいだろうなあ、という気持ちです。

それはさておきまして、前回予告しました通り、今回から映像産業における補助金制度のお話をさせて頂きたいと思います。まず、ここにイギリスの金融情報サイトThis is Moneyに昨年掲載された興味深い記事がありますので、それをご覧ください。

2013年3月5日火曜日

Hollywoodでデモ行進してみる その2

2月24日のアカデミー賞受賞式に合わせたデモは、特に大きな混乱もなく、まずまずの成功を収めたと言っていいものでした。デモの規模が比較的小さく、あらかじめ届け出をしていたため警察の誘導があった、主催者が非常に上手くオーガナイズしていた、などということもあったと思います。Dolbyシアターで授賞式が始まる頃には、参加者は解散し、後は賞の結果を知るのみとなった訳です。ところが、このアカデミー賞のまさに授賞式会場で後に波乱を生む出来事が起こりました。

2013年3月1日金曜日

Hollywoodでデモ行進してみる その1

前回、VFX業界がアカデミー賞に合わせたデモを主催した、というお話をしましたが、今回はこれに関してレポートをしたいと思います。



2013年2月25日月曜日

ライフ・オブ・パイがアカデミーの視覚効果賞を受賞

木村でございます。既にご存知の方もおられるかと思いますが、私が制作に関わりました「ライフ・オブ・パイ」が、昨日24日に開催されました第85回アカデミー賞授賞式において視覚効果賞を受賞しました。「ライフ・オブ・パイ」はこの他にも監督賞、撮影賞、作曲賞に輝き、今回のアカデミーに出品された作品の中で最多の4冠に輝いたことになります。

Rhythm & Huesに届いたOscar像(右)とBAFTA (British Academy of Film and Television Arts)の視覚効果賞のトロフィー。Socar像は結構重いです。

2013年2月21日木曜日

レンダラを選んでみる その3

前回は市場に出回っているRenderMan以外のレンダラについてお話させて頂きました。ではRenderManも含めて、一体この中からどれを選べばいいのかという話なのですが、やはり重要なのはレンダリング・コストです。この点においてArnoldのような純粋なモンテカルロ・レイ・トレーサーに近いレンダラは、どうしても計算コストがかさんでしまいますので、ハードウェア・リソースが十分にない中小のプロダクションでは厳しいといわざるを得ないでしょう。私が「くもり時々ミートボール」(2009)の制作でSony Pictures ImageworksでArnoldを利用していた際には、既にライティングTDには8コアのCPUを搭載したワークステーションが必須の環境でした。SonyはArnoldを導入するにあたってレンダリング・サーバーを大幅に強化し、1フレームが十数時間を越えるようなレンダリングでフィーチャー・アニメーションを作っても作業に支障がないようにシステムを構築しておりましたが、私が作業をしていたものの中には30時間を超えるようなものもありました。

2013年2月14日木曜日

レンダラを選んでみる その2

Rhythm & Hues Studiosの倒産のお話で1回間が空いてしまいましたが、またレンダラのお話に戻りたいと思います。前回はRenderManが使われなくなってきた理由に関してお話ししましたが、今回はRenderMan以外に使われているレンダラにはどういうものがあるのか、ということについてです。前回お話ししました通り、多くのプロダクションはレイ・トレースをベースにしたレンダラに乗り換えつつあります。その代表格がMental Ray、Arnold、V-Rayです。

2013年2月12日火曜日

Rhythm & Hues Studiosの倒産

木村でございます。今月からはレンダラに関するお話をしておりますが、既に報道等でご存知の方もおられるかと思いますが、私が勤務しておりますRhythm & Hues Studiosが昨日倒産の手続きに入りましたので、今回だけこのお話をさせて頂きたいと思います。


2013年2月5日火曜日

レンダラを選んでみる その1

木村でございます。2月になりましたね。引き続き本業やらテレビやらゲームやらでがかなり忙しくなっておりまして、少々間が空いてしまいました。出来れば週に1回くらいのペースでやっていきたいところですが、場合のよってはまた間が空くこともあるかと思います。気長におつきあいください。

1月中はパイプラインとワーク・フローについてお話させて頂きましたが、今月からは新たにレンダラについてお話をさせて頂きたいと思います。私がライティングTDをやっているために特にそうだと思いますが、「どんなレンダラを使ってるんですか?」といったご質問をよくお受けします。なかには「RenderManって使ってます?どう使ってます?」といったご質問もあります。これはRenderManが業界のデファクト・スタンダードであることからご興味を持ってのご質問かと思います(これからこのトピックでは、特にお断りしない限り、RenderManはRenderMan Interfaceに準拠した不特定多数のレンダラのことではなく、Pixar社のPhotorealistic RenderMan, PRManのことをさしているものと考えてください)。結論から申し上げますと、アメリカの映像業界ではRenderManは使われなくなりつつある、というのがお答えになります。


2013年1月28日月曜日

ワーク・フローとパイプラインを考えてみる その5

今回の「ワーク・フローとパイプラインを考えてみる」シリーズは、韓国のCGプロダクションで働いている友人からの質問に答える形で書かせて頂いたのですが、その友人から、第1回で説明した組織の構成と肩書きについて、もう少し詳しく説明してほしい、との要望をもらいました。実はこの各職種の肩書きと役割、その上下関係に関する質問は、私がこの業界の友人、知り合いから頂戴する質問の中でも、かなり頻度の高いものの一つです。自分たちの作品が海外に出ていったり、海外のプロダクションと協業したりする場合に備えて、国際的に通用するような組織構成と肩書きを持っておこうという考えはよいことだと思います。

2013年1月22日火曜日

ワーク・フローとパイプラインを考えてみる その4

マネージメント

映画の話で1回間が空いてしまいましたが、今回はマネージメントに関してお話ししたいと思います。私はマネージメントの経験があまりありませんので、やや外野からの意見になってしまいますが、たまに日本の方から「プロダクションのマネージメントがなってなくて」というお話をされます。何がダメなのかと聞くと、どうも歯切れのいい答えが返ってきません。恐らく、何が悪いのかはよくわからないが、現場の皆ががんばっているのに仕事が上手く流れない、とかそういうことなのではないかと思います。私も以前は仕事場のマネージメントに疑問を感じていたことがありまして、これはよいマネージメントの仕方を知らないという、技術的な問題なのではと考えていたのですが、どうもそれも違うようです。基本的にはマネージメントはプロダクションによって個別の要因が多すぎますので、まずは現場のアーティストやTDに話を聞いてみることが重要かと思います。彼らも根本的な解決策がわかっている訳ではありませんから、現場の問題点と個人的な不満、人間関係の齟齬などを一緒くたにして話すと思いますが、そこをうまくフィルタリングして問題点を洗い出す他ありません。

2013年1月18日金曜日

ライフ・オブ・パイ

「ワーク・フローとパイプラインを考えてみる」シリーズの途中ですが、今回だけ映画のお話をさせて頂きます。間もなく日本で20世紀フォックスの配給による映画「ライフ・オブ・パイ」が公開されます。アメリカでは既に昨年公開されましたが、原作はカナダの作家ヤン・マーテルが2001年に発表した小説が元になっており、その非常に緻密な描写とストーリー性ゆえに大変な人気となり、早くから映画化の話が出ていました。当初は「シックス・センス」などのM・ナイト・シャマラン監督などが監督候補に挙がっていましたが、最終的には「グリーン・デスティニー」や「ブロークバック・マウンテン」で知られるアン・リー監督より映像化されました。

2013年1月14日月曜日

ワーク・フローとパイプラインを考えてみる その3

木村でございます。早くも更新のスピードが遅れて参りました。ブログも3回目にして風前の灯という感じでしょうか。実は年が明けてから本業の方が忙しくなり、この週末も働いておりました。「家に帰ったらブログ書くか」といつも会社では思うのですが、帰ると何となくテレビを見たりゲームをしたりしてしまいます。つまり仕事のせいではないということなのですが、あまり無理をしても続かないので、このペースでいきたいと思います。

実は最近ブログを読んで頂いている方から、ブログでの言葉に関して、「フューチャー・アニメーションではなく、フィーチャー・アニメーションではないのか」というご指摘をいただきました。確かにフューチャー・アニメーションですとFuture Animation、未来のアニメーションという風に聞こえてしまうので、Feature Animation、フィーチャー・アニメーションと記述するのが妥当でしょう。「ええそうですよ、私は未来のアニメーションの話をしていたんです」と意固地になってフューチャー・アニメーションと言い続けてもいいんですが、さすがにそれは大人げないので、これからはフィーチャー・アニメーションでいきたいと思います。

3回目ですが、前回の予告通りデータ・ストラクチャのお話をさせて頂きます。


2013年1月5日土曜日

ワーク・フローとパイプラインを考えてみる その2

どうも、木村でございます。第1回目の投稿後、何人かの方から「読ませてもらうよ」と声をかけて頂いたり、ご自分のブログやFacebookで紹介したりなどして頂きました。この場を借りてお礼を申し上げさせて頂きます。想定以上の好調な出だしではないかと思います。実はブログを書くのは今回が初めてでして、まだちょっと勝手をわかっておりません。画面もかなりスカスカなので、他にブログを書いている方のリンクを紹介させて頂いたりするなど、充実させいきたいと思います。今回書き始めるにあたって、「アファリエイトなどやって大もうけできるかな」などとさもしい計算も働かせていたのですが、考えてみると、ブログの内容上、さしてご紹介できる商品がないことに気がつきました。とりあえず代表作品のリストにアマゾンのリンクを張っておいたのでかなりウザいかと思いますが、ご容赦ください。

2013年1月1日火曜日

ワーク・フローとパイプラインを考えてみる その1

新年あけましておめでとうございます。木村でございます。今更ですが、今年からブログを始めることにしました。ブログって今だによく使われてるんでしょうかね。情報を発信するにあたって、何か適切なメディアはないものかと考えたんですが、結局ブログしか思いつきませんでした。特にログ形式にする必要もないので、何か良い情報頂いたら、将来的にそれに乗り換えようかと思っています。